第15回mixi杯 構築戦 決勝戦詳細
■決勝戦
ビグ・ザムの人 VS 100み@7月3日AMP
大きいことはいいことだ。大は小を兼ねるということわざもある。
だが、宇宙世紀の歴史においてはそうとも言えないかもしれない。大規模なモビルスーツの戦線投入が為されたルウム戦役において地球連邦軍は大敗を喫し、連邦もMS開発へ着手するきっかけとなる。すなわち大鑑巨砲主義の時代は終焉を向かえたのだ。
一方で独自に開発を推し進めるたジオン軍は、局地戦用MSを多数開発したのち、遂には大鑑巨砲主義を体現したかのような決戦用モビルアーマー・ビグ・ザムへと到達する。いやさ、たどり着く結論はいつも同じなのだろうか。
ジーク・ジオンデッキはガンダムウォーで現存する大鑑巨砲主義デッキのひとつと呼んで差し支えないだろう。使用するプレイヤーのHNもそのまんま「ビグ・ザムの人」。「の人」は敬称なので、失礼ながらレポート内では省かせていただく。ところで、メインデッキにビグ・ザムはおろか、ジオン軍のMS/MAが1枚も入ってないのは内緒だ。
対する100み氏は、mixiGWオフ会の古参メンバーである。主催側との繋がりも深く、常々、「昨今のオフ会が単なる常連同士の連絡会的な場所になりつつある」ことを問題視していた。今回は宣伝規模を広げたせいか、参加者は24人。最近では稀にみる規模で開催できたわけだが、そのことを喜んでいる一人でもあろう。
その100み氏のデッキは、レシピだけみるとなんとも面妖な印象を受ける。使用しているカードは黒緑捲土ツヴァイをベースに青を投入したような構成だが、タッチというには枚数が多い。黒緑ではなく黒青t緑といった趣である。〔急ごしらえ〕〔政治特権〕の青を代表するドローソースが3枚ずつ積まれている部分から何としても青を使ってやるぞ、という気合のようなものが垣間見える。
=1st War=
ブン回ればものの数ターンで大型ユニットが登場するビグ・ザム軍〔ジークジオン〕に対し、100み軍の青黒緑は除去で捌きつつ、国力を揃えてからの勝負となる。勝負の鍵はスピードなのか。
とはいえ、結果を見ればあっけないものだった。100み軍はG事故により〔ジ・オ&シロッコ〕〔シロッコの目〕くらいしかプレイできず、展開された大型ユニットの前に沈黙する。
G事故による決着。書くことも少ないが、これもガンダムウォー。
##
だがこの決着は、思いもかけぬ側面からのアドバンテージを100み軍へ与えていた。
1試合め、相手は黒以外の国力が出せていなかった。これを踏まえて、ビグ・ザム氏は相手のデッキを赤黒〔野望の毒牙〕系のデッキだと判断していたのだ。自軍デッキの弱点を「ハンデスと〔毒牙〕」と語っていたビグ・ザム氏はさぞや戦々恐々としていたことだろう。
この「情報」という名のアドバンテージが、どのようにゲームに影響するのか。
=2nd War=
一方の100み軍。たしかにさっきの試合は国力が足りなかった。
最も足りなかった国力は青だ。〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕も出したいが、何よりも出したいのは〔フルバーニアン&コウ〕。第一テキストによる手札回転だけではなく、一番使いたいのは第三テキスト。すなわち、隣に〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕が揃っていれば、格闘力・防御力を好きなだけ上げて高機動で攻撃できるのだ。
〔フルバーニアン&コウ〕と〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕が両立できるのは、最速4ターンめ。
秘められし刃、一撃即死コンボは果たして炸裂するのか?
##
ビグ・ザム軍、警戒すべきは〔野望の毒牙〕と〔シロッコの眼〕とにらむ。〔野望の毒牙〕は勘違いだが、初手は〔モルゲンレーテ〕〔月面民間企業〕〔ジーク・ジオン〕〔開業資金〕とコンボパーツとハンデス対策のあるほぼ完璧な手札。迷わずキープを選択する。100み軍も同じくキープ。
100み軍の序盤は淡々とGをセットするのみ。ビグ・ザム軍はハンデスを警戒して、〔モルゲンレーテ〕スタートから手札を次々にハンガーと場に送りこんでいく。とりあえず互いにG事故の様子はなく、ほっと胸をなでおろすのはプレイヤーのみならずライターも、である。試合内容が「2戦とも事故でした」では文字数をどうやって稼げばいいのやら。
4ターンめ、100み軍のファーストアクションは〔シロッコの眼〕。だが努力のかいあってか、ビグ・ザム軍の手札にはGのみ。自軍ハンガーには〔ジーク・ジオン〕。敵軍ハンガーには〔開業資金〕で既に送りつけた〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕と〔エンプラス〕。
これを受けて、ビグ・ザム軍はここで一気に攻勢に出るかを思案する。100み軍の国力はすでに〔魂の輝き〕を撃てる状態だが……覚悟を決めて1枚目の〔ジーク・ジオン〕をプレイ。2枚の大型ユニットが登場するが、ここは予定調和の〔魂の輝き〕。やはり持っていた。
一方の100み軍。相手の攻撃は捌けているしGも引いている。逆襲に転じたいが、ユニットが展開できない。
手札には〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕と〔捲土重来〕があり、現在の発生国力は6。だが動けない。黒3国力は出ているが、どちらのジャンクヤードにもセットカードはない。また手札の〔捲土重来〕をジャンクヤードに送り込む手段もない。〔フルバーニアン&コウ〕用の青2国力すらもあるが手札にない。どの方向性にも一手足りない。
その間にもビグ・ザム軍は〔ニュータイプの排除〕と〔開業資金〕での合わせ技でドローを進め、敵軍ハンガーへユニットを送り込む。そして、100み軍配備フェイズ中の、ビグ・ザム軍〔ニュータイプの排除〕からついに〔ジーク・ジオン〕がめくれる。幸いなことに、ビグ・ザム軍唯一の緑国力ソース〔月面民間企業〕はロールしていたのだが、これでもう、何もせずターンを渡すことはできない。
100み軍はそのターンのドローで引いていた7枚目のGをセットすると、〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕を普通にプレイして場へ送りだす。そして戦闘フェイズに入ると、ここが勝負どころと叩きつけたのは……
〔内部分裂〕!!
残ったGはビグ・ザム軍に茶基本Gが1枚。100み軍のG7枚は特殊Gばかりだったので、Gは0枚。高い出費だったが場にあるユニットは〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕のみ。〔ジーク・ジオン〕のみならず、相手はあとG1枚で〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕を素出しできるところだった。どの方向性にも一手足りなかったかわりに100み軍が得ていたのは、デッキ1枚制限のカードだった。これで相手の「あと一手」を摘み取ったのだ。
あとは、相手が緑国力の出るGを引かないことに賭けるのみ……!!
しかし、ユニットもGもない場には、オペレーションが残っていたのだ。すなわち〔ニュータイプの排除〕。
この追加ドローにより、ビグ・ザム軍は〔通じ合う心・緑〕をあっさり引き当ててしまう。
叫べよ、ジオンの勝利(ジーク・ジオン)を!
やってきたのは〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕に〔アルヴァトーレ〕と、ジオン製ではないものの、それでも国力がない状況の100み軍に、打てる手は残っていなかった。
ビグ・ザム 軍 の勝利!!
文:六界
ビグ・ザムの人 VS 100み@7月3日AMP
大きいことはいいことだ。大は小を兼ねるということわざもある。
だが、宇宙世紀の歴史においてはそうとも言えないかもしれない。大規模なモビルスーツの戦線投入が為されたルウム戦役において地球連邦軍は大敗を喫し、連邦もMS開発へ着手するきっかけとなる。すなわち大鑑巨砲主義の時代は終焉を向かえたのだ。
一方で独自に開発を推し進めるたジオン軍は、局地戦用MSを多数開発したのち、遂には大鑑巨砲主義を体現したかのような決戦用モビルアーマー・ビグ・ザムへと到達する。いやさ、たどり着く結論はいつも同じなのだろうか。
ジーク・ジオンデッキはガンダムウォーで現存する大鑑巨砲主義デッキのひとつと呼んで差し支えないだろう。使用するプレイヤーのHNもそのまんま「ビグ・ザムの人」。「の人」は敬称なので、失礼ながらレポート内では省かせていただく。ところで、メインデッキにビグ・ザムはおろか、ジオン軍のMS/MAが1枚も入ってないのは内緒だ。
対する100み氏は、mixiGWオフ会の古参メンバーである。主催側との繋がりも深く、常々、「昨今のオフ会が単なる常連同士の連絡会的な場所になりつつある」ことを問題視していた。今回は宣伝規模を広げたせいか、参加者は24人。最近では稀にみる規模で開催できたわけだが、そのことを喜んでいる一人でもあろう。
その100み氏のデッキは、レシピだけみるとなんとも面妖な印象を受ける。使用しているカードは黒緑捲土ツヴァイをベースに青を投入したような構成だが、タッチというには枚数が多い。黒緑ではなく黒青t緑といった趣である。〔急ごしらえ〕〔政治特権〕の青を代表するドローソースが3枚ずつ積まれている部分から何としても青を使ってやるぞ、という気合のようなものが垣間見える。
=1st War=
ブン回ればものの数ターンで大型ユニットが登場するビグ・ザム軍〔ジークジオン〕に対し、100み軍の青黒緑は除去で捌きつつ、国力を揃えてからの勝負となる。勝負の鍵はスピードなのか。
とはいえ、結果を見ればあっけないものだった。100み軍はG事故により〔ジ・オ&シロッコ〕〔シロッコの目〕くらいしかプレイできず、展開された大型ユニットの前に沈黙する。
G事故による決着。書くことも少ないが、これもガンダムウォー。
##
だがこの決着は、思いもかけぬ側面からのアドバンテージを100み軍へ与えていた。
1試合め、相手は黒以外の国力が出せていなかった。これを踏まえて、ビグ・ザム氏は相手のデッキを赤黒〔野望の毒牙〕系のデッキだと判断していたのだ。自軍デッキの弱点を「ハンデスと〔毒牙〕」と語っていたビグ・ザム氏はさぞや戦々恐々としていたことだろう。
この「情報」という名のアドバンテージが、どのようにゲームに影響するのか。
=2nd War=
一方の100み軍。たしかにさっきの試合は国力が足りなかった。
最も足りなかった国力は青だ。〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕も出したいが、何よりも出したいのは〔フルバーニアン&コウ〕。第一テキストによる手札回転だけではなく、一番使いたいのは第三テキスト。すなわち、隣に〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕が揃っていれば、格闘力・防御力を好きなだけ上げて高機動で攻撃できるのだ。
〔フルバーニアン&コウ〕と〔ゼク・ツヴァイ〕+〔捲土重来〕が両立できるのは、最速4ターンめ。
秘められし刃、一撃即死コンボは果たして炸裂するのか?
##
ビグ・ザム軍、警戒すべきは〔野望の毒牙〕と〔シロッコの眼〕とにらむ。〔野望の毒牙〕は勘違いだが、初手は〔モルゲンレーテ〕〔月面民間企業〕〔ジーク・ジオン〕〔開業資金〕とコンボパーツとハンデス対策のあるほぼ完璧な手札。迷わずキープを選択する。100み軍も同じくキープ。
100み軍の序盤は淡々とGをセットするのみ。ビグ・ザム軍はハンデスを警戒して、〔モルゲンレーテ〕スタートから手札を次々にハンガーと場に送りこんでいく。とりあえず互いにG事故の様子はなく、ほっと胸をなでおろすのはプレイヤーのみならずライターも、である。試合内容が「2戦とも事故でした」では文字数をどうやって稼げばいいのやら。
4ターンめ、100み軍のファーストアクションは〔シロッコの眼〕。だが努力のかいあってか、ビグ・ザム軍の手札にはGのみ。自軍ハンガーには〔ジーク・ジオン〕。敵軍ハンガーには〔開業資金〕で既に送りつけた〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕と〔エンプラス〕。
これを受けて、ビグ・ザム軍はここで一気に攻勢に出るかを思案する。100み軍の国力はすでに〔魂の輝き〕を撃てる状態だが……覚悟を決めて1枚目の〔ジーク・ジオン〕をプレイ。2枚の大型ユニットが登場するが、ここは予定調和の〔魂の輝き〕。やはり持っていた。
一方の100み軍。相手の攻撃は捌けているしGも引いている。逆襲に転じたいが、ユニットが展開できない。
手札には〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕と〔捲土重来〕があり、現在の発生国力は6。だが動けない。黒3国力は出ているが、どちらのジャンクヤードにもセットカードはない。また手札の〔捲土重来〕をジャンクヤードに送り込む手段もない。〔フルバーニアン&コウ〕用の青2国力すらもあるが手札にない。どの方向性にも一手足りない。
その間にもビグ・ザム軍は〔ニュータイプの排除〕と〔開業資金〕での合わせ技でドローを進め、敵軍ハンガーへユニットを送り込む。そして、100み軍配備フェイズ中の、ビグ・ザム軍〔ニュータイプの排除〕からついに〔ジーク・ジオン〕がめくれる。幸いなことに、ビグ・ザム軍唯一の緑国力ソース〔月面民間企業〕はロールしていたのだが、これでもう、何もせずターンを渡すことはできない。
100み軍はそのターンのドローで引いていた7枚目のGをセットすると、〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕を普通にプレイして場へ送りだす。そして戦闘フェイズに入ると、ここが勝負どころと叩きつけたのは……
〔内部分裂〕!!
残ったGはビグ・ザム軍に茶基本Gが1枚。100み軍のG7枚は特殊Gばかりだったので、Gは0枚。高い出費だったが場にあるユニットは〔ゼク・ツヴァイ(ジョッシュ機)〕のみ。〔ジーク・ジオン〕のみならず、相手はあとG1枚で〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕を素出しできるところだった。どの方向性にも一手足りなかったかわりに100み軍が得ていたのは、デッキ1枚制限のカードだった。これで相手の「あと一手」を摘み取ったのだ。
あとは、相手が緑国力の出るGを引かないことに賭けるのみ……!!
しかし、ユニットもGもない場には、オペレーションが残っていたのだ。すなわち〔ニュータイプの排除〕。
この追加ドローにより、ビグ・ザム軍は〔通じ合う心・緑〕をあっさり引き当ててしまう。
叫べよ、ジオンの勝利(ジーク・ジオン)を!
やってきたのは〔ガンダムサバーニャ(ホルスタービット)〕に〔アルヴァトーレ〕と、ジオン製ではないものの、それでも国力がない状況の100み軍に、打てる手は残っていなかった。
文:六界