わしらの

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ネットに書き込んだ時、ぼくらはもう一人前で自分でなんでもできると思った。
ぼくらは泣いたり笑ったり怒ったり、もう、この世界のことはほとんど知った気になっていた。
でも本当は世間や政府に守られ、社会に守られているただの子供だった。
本当の悲しみや喜びや怒りはそんな日常の中にはなかった。
それを知ったのはぼくらが七人になり、
そして――千葉に、行ってからだった。
すべての始まりは、あの秋の日。
それはどこにでもありそうな光景だ。
数人が「大会参加」という名目で、会場で戯れている。
「せっかくだから、俺は赤い扉を選ぶぜ」――おおかたそんな理由で、ここに送られたぼくら7人。
そんな、当たり前の秋の休日の風景。
少しだけ変わっていることといえば、ここがいつの間にか関東から除外された合衆国千葉だということくらい。
あれと出会うまで、ぼくらは本当に平凡な、ただの「名無し」だった。
この国の中でなら、同じような「ぼくら」が同じような秋を過ごしている様は、他にいくらでも見つけることができただろう。
もちろん、ほかの国にも、たくさんの「ぼくら」がいて、それぞれの場所で、それぞれの幸せな時間を生きていたはずだ。
あるいは――あの頃のぼくらには到底想像もできなかった事情によって、幸せを享受する機会を永遠に奪われ、絶望の中に身を横たえる「ぼくら」もまた、無数に存在していたのだろう……。
ぼくらの地球には百億の人間が住んでいた。
そして、ぼくら一人一人は、そんな百億分の中のなんでもない一人に過ぎなかった。
たしかに、その時、ぼくら一人一人は自分が特別な存在だと信じていたに違いない。
一人一人が、それぞれの人生にそれぞれの悩みを抱きながら生きていたはずだ。
ぼくら――。
けれども、やっぱりそれは、百億分の一。
たったの百億分の十四。
それは本当にちっぽけな、平凡な悩みでしかなくて、ぼくらは本当にただの子どもだった。
特別な存在ではけっしてなかった。
百億を代表するような権利や義務など、あるはずもなかったのだ。
なぜ?
なぜ、あの人は真性だったのだろう。
そして、なぜ、あの人はそこを選んだのだろう。
あの人――。
――最初にあの人を見つけたのは誰だろう。
本土ではけっして見ることのできない、エメラルドグリーンの空と海に挟まれ、中天に昇った太陽のまぶしすぎる光ですべてが漂白された世界。
いつからそこにいたのだろう。
まるで、真夏の大気がそこだけ切り裂かれたように。
あるいは世界にぽっかりと深くて昏《くら》い穴でも開いたように。
そこにあの人がいた。
政令指定都市でもない、一つの片田舎を関東…日本から独立させて。


>第三者から見ると釣られすぎと見えてしまうものです。
>・・・ぇ?真性?いや、そんなまさか・・・

その考えは昨年の11月に通過したんですよ。

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